
睡眠歯科外来とは?
睡眠中にいびきをかいたり,呼吸が止まったりする方はいらっしゃいませんか?
睡眠歯科外来では,スリープスプリントというマウスピースを使って,いびきや無呼吸の治療をしています.
どんな症状?

図1 睡眠時無呼吸症は社会問題
睡眠中に呼吸が止まる時間や頻度が多くなると,深い眠りができずに,寝起きが悪くなったり,日中につい居眠りをしてしまったりするという症状が出てきます.このような病気を睡眠時無呼吸症といいます.いびきは無呼吸の前症状です.
最近では,さまざまな事故の引き金になっていることが分ってきて,社会的にも問題になっています(図1).また,高血圧や心筋梗塞,糖尿病などの生活習慣病の悪化因子にもなると言われています.
睡眠時無呼吸症の中でも,体重が大きかったり,扁桃腺が大きかったり,顎が小さかったりすることが原因で,喉(のど)の気道が狭くなっている場合を閉塞型睡眠時無呼吸症といいます.これとは別に,脳幹から呼吸筋への指令の異常が原因になっているものを中枢型睡眠時無呼吸症といいますが,実際には9割以上の方が閉塞型睡眠時無呼吸症です.歯科で対応できるのは,閉塞型睡眠時無呼吸症です.

図2 頭部側方レントゲン写真
どんな検査?
睡眠歯科外来では,頭部側方レントゲン写真(図2),内視鏡(図3)などにより,口・のどのどこに原因があるか検索します.そして,スリープスプリントにより治療が可能かどうかを診断します. しかし,実際には睡眠中にどのくらい無呼吸や低呼吸があるのかが睡眠時無呼吸症の最終診断になりますので,睡眠検査(終夜PSG検査)ができる医療機関を紹介して検査を受けていただきます.

図3 内視鏡検査(左:中下咽頭,右:鼻咽腔)
※内視鏡は直径4mm程度の細い管で鼻から通します.スプレーの表面麻酔もしますので痛みはほとんどありません.
どんな治療?
睡眠歯科外来では,下顎(下あご)を前方に突き出した状態で上下のあごを固定するスリープスプリント(図4)というマウスピースを使って治療します.これは,仰向けで寝ているときに落ち込んだ舌やのどちんこを前方に引き出し気道がつぶれないようにする装置です(図5).もちろん,昼間はつける必要はなく,寝ている間だけつける,つけはずし可能な装置です.

図4 スリープスプリント

図5 スリープスプリントによる気道確保
スプリントの使用にあたって
スプリント装着による違和感- 入眠時にはスプリントによる違和感でなかなか寝つけない場合もあります.夜中に目が覚めてしまう場合もあるかもしれません.最初は朝までの装着は難しいですが,できるだけ装着するようにして下さい.慣れるまで1週間以上かかる場合もあります.
- 起床時には歯が浮いたような感じや咬み合わせが分からないような違和感が生じます.通常5〜20分くらいで違和感は薄らいでいきます.違和感が治まらない場合やあごに痛みを生じた場合は,使用を中止して担当医に連絡して下さい.
スプリントの清掃と保管
歯磨きと同時にスプリントも歯ブラシで水洗いして下さい.歯磨剤を使用するとスプリントが削れてしまいますので,歯磨剤は使用しないで下さい.また,汚れが気になる時や消毒したい時は,市販の総入れ歯用洗浄剤を使用して下さい.お湯につけると変形して使えなくなりますので注意してください.プレートの保管にはタッパーなどの容器を使用するとよいでしょう.
スプリントの調整
あごを固定する位置は効果と副作用を見ながら決定しますので,スプリントの完成には何回かの通院・調整が必要です.
効果の判定
スプリントの効果を判定するためにも,家族の方に「いびきが小さくなったか」,「呼吸が止まることがなくなったか」確認してもらってください.また,客観的にも効果を判定する必要がありますので,再度,睡眠時ポリソムノグラフ検査を受けることをお勧めいたします.
定期ケア
スプリントの固定源は歯です.虫歯や歯周病などで歯を失うと装着できなくなります.睡眠時の呼吸機能を守るためにも,歯の定期検診や専門的口腔清掃を受けて下さい.
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大阪大学歯学部附属病院 顎口腔機能治療部








