てがみ―昔の私へ―
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☆考えるヒント☆ 大昔、中3の時に受けた模試・国語の長文に小林秀雄の「考えるヒント」からの抜粋があった。 内容は全く覚えてないが、この「考えるヒント」という言葉は私の心の中にずっと残って今まで 影響を与えてきた。 人生も半ばを過ぎて、自分は今まで何を源に、物事をどう考えてきたか?と思うことがこの頃よくある。 両親の影響?あるいは自分なりの経験? よくわからないが、友人たちとの語らいの中で答えを見つけながらそれを口にし、確認して行動して きたのではないだろうか。 周りにいる一生懸命に生きているその人たちと一緒に過ごし、様々な話をすることで自分を 見つめてきたように思う。 「考えるヒント」をくれ、自分に気付きを与えてくれる鏡のような大事な存在である。 そして二人の子供たちも同じように「考えるヒント」「生きていくヒント」を与えてくれた。 今日の私が形成されたのは大部分の母親たちとは少しだけ違う体験をしたからだと思うが、 その経験は楽しいことばかりではなかったにも関わらず、とても素晴らしく、深いものであった。 それは19年前のとある日に始まった。 幼稚園に通わせる為に面接に行ったあの日、同じ3歳の子供たちの中で 我が子たちの様子はあまりにも違っていた。 そして二人はそれからその子たちと少し違う道を通って成長してきた。 その間二人を通して沢山の事を感じ、考えてきた。 沢山の人たちと出会った。栄養のある気持ちをいっぱいもらった。 沢山のトライ、経験をさせた。 やってみたいという事は出来るだけ体験させた。 選択の要るものはできるだけ本人たちに決めてもらった。 どれが正解なんてわからなくても前を向いて進んできた。 今日と明日だけをどう過ごすかで走ってきた。 たいした考えもなく、ただバラバラに点を描き、それを少しずつ線につなげてきて 今日がある感じだ。 少しだけ先の未来は考えても、ずっと先の未来は予想できないので考えなかった。 残念な気持ちになった時は「仕方がない」「しょうがない」と思い、自分に「笑ってたら
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