てがみ―昔の私へ―
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「18年前の私へ」 また泣いてるんだね…いいよいいよどんどん泣いていいよ。 自分が産んだ子供だもの…可愛いに決まってる。でも、それが自分の生き方に 原因があるって言われたら、泣いても解決にならないね…死にたいよね?ならば、 置いていく?かといって、一緒に逝けないよね?でも、深呼吸して考えてみれば、 人は産まれた時に、死ぬという最大の不幸を背負うんだから、敢えて自分で死な なくても大丈夫です。 こんな目に合わないに越した事は無いって言われたけど、今は本当に本当に いろんな事が有りすぎて、時の経つのが遅く感じています。 少なくとも、貴女と同じような環境の人は、ずっ~と前から脈々といて、 これからも脈々と続くのです。決して一人ぼっちじゃないのです。 想像出来ないかも知れないけど、やっと22歳になりました。 先輩達が教えてくれたように、娘はそんなに変わってないし、体が大きくなった分、 私は大変です。私自身の体の変化もあり、休みながらも増えました。 でも、ちょっとの事にも幸せを感じ、物事の基準が変わったから、辛くても涙は 出ません。今の貴女は、これ以上の苦しみは無いし、これ以外の事で辛い思いは しないだろうと思ってるでしょ?ところが、これまた先輩達の言われたように、 この子が1番楽かも知れないよ。 よくある話、お父さんは転勤の無い社員を選んだから、出世できなくなったと、 未だに文句言うよ。私は、選んでくれた事を感謝しているけれど、男の人は自分が 原因じゃない事には悔しさがいつまでも残るみたいです。ちょっと口喧嘩になる 事もたびたびです。 そして、お兄ちゃんも一人前に反抗期があったし、受験や就職の時はそれ なりに大変だった。親冥利に尽きるけど、本当に自立して貰わなきゃ困るものね。 社会に出れば、いろんな誘惑や厄介な波に飲まれるかも知れない…なんて心配に なります。それでも、貴女の思いとは裏腹に、さっさと下宿、引っ越しして自立 してしまいました。 今は、自分自身の体調の変化、老い?でしんどい事が1番の悩みかな。勿論、 普通と違って、娘が離れる事は無いし、相変わらず全介助の毎日。でも、人間は すごいね…毎日毎日ほとんど同じように暮らしていると、これが日常になるのです。 それに、私達夫婦の両親の事だって、まだまだ心配は尽きません。
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