大阪大学歯学研究科口腔分子制御学講座予防歯科学教室の泉井秀介先生らによって執筆され、当共同研究講座も執筆に協力した論文が学術誌Achieves of Oralbiologyに掲載されました(1)。
この論文では歯周病の原因菌であるP. gingivalisの細胞外膜小胞(ベシクル)存在下における歯肉上皮細胞を対象に研究が行われました。この研究によって、クルクミンがベシクルによって傷害を受けた歯肉上皮細胞の炎症性サイトカインの産生を抑制し、細胞遊走を促進することがわかりました。また、これらの効果を発揮した要因として、クルクミンが細胞外膜小胞の歯肉上皮細胞への侵入を抑制するためであることが明らかになりました。
共同研究講座では今後もクルクミンの歯周病に対する効果について研究を行っていきます。
図1. クルクミンの抗炎症効果と細胞遊走促進効果
クルクミンによってベシクルで傷ついた細胞の炎症性サイトカインの産生が抑制され、細胞遊走が促進された。
図2. クルクミンのベシクル侵入抑制効果
P. gingivalisのベシクル(赤色)の歯肉上皮細胞(緑色)への侵入をクルクミンが抑制した。