現代において歯周病は「人類史上最大の感染症」とも言われ、ギネスブックにも掲載がされています。厚生労働省によると現代の日本においても成人の8 割は歯周病であり、40 歳以上の半数以上は歯周炎に罹患しているというデータもあります。この「人類史上最大の感染症」を克服することがQOLの向上に不可欠だと思われます。
口腔科学が発展する中で、歯周病の対策には病原菌を徹底的に駆逐するのではなく、人間の自然治癒力と病原性の均衡を保つために、衛生で健康的な口腔環境を整えることが重要だとわかってきました。
サラヤ株式会社は創業以来、世界の「衛生」「環境」「健康」に貢献することで豊かで実りある地球社会の実現を目指しています。口腔ケア分野においては、「うがい薬コロロ」など「衛生」・「健康」に着目した口腔ケア製品を研究開発し続けています。また、2017年からは「オーラルケアステーション本町歯科」を開設し、セルフケアのみならずプロフェッショナルケアにも着手しております。
大阪大学歯学研究科は、従来の材料・技術的側面に偏重されてきた従来の歯科医学に、分子生物学を指向した口腔科学を融合させた先端生命歯科医学(フロンティアバイオデンティストリ―)を実践しています。歯周病研究においても臨床と実験科学を融合した、世界をリードする先端的な研究実績があります。
本講座では大阪大学歯学研究科における先端生命歯科医学と、サラヤ株式会社の「衛生・環境・健康」の理念を融合することで、口腔環境を整え、より衛生で健康的な状態に維持するための共通項を見出していきます。また、得られた研究結果を基に商品開発や口腔内メンテナンス法の検討を行い、予防歯科の啓発につなげることで、人間の自然治癒力を最大限に生かしたQOLの向上を目指します。