教授挨拶
こんにちは、予防歯科学講座教授の久保庭雅恵です。
予防歯科学
予防歯科学とは、くちの病気を予防するとともに、くちの健康の増進を図る科学です。古くからくちは健康の入り口、魂の出口と言われます。くちの健康は、身体的・精神的・社会的な健康へと繋がり、皆様の人生を豊かにします。
21世紀の予防歯科
従来の歯科医療は「アート的医療」といえます。病んだ部分を除去・摘出し、人工物により損なわれた機能・構造を回復させ、くちの健康に寄与しています。ですから、歯科というと、「上手に歯を削ってきれいに詰め物をする」という、アート的なイメージをもっている人がまだまだ多いようです。しかし1980年代以降、分子生物学と細胞生物学が拓かれ、生命現象を分子・細胞レベルでとらえるようになってからは、先端の研究成果により、新たに内科的な「検査、診断、組織と機能の再生療法」を指向した歯科医療が創成され始めました。
21世紀の予防歯科は予測歯科へと向かいます。全ての方に同じ予防・治療が必要でしょうか?私達のくちは同じではありません。くちの細胞の遺伝子、くちに住む細菌の遺伝子、そして私達の生活習慣、全てが違います。私達の遺伝子と生活習慣の違いから将来の発病を予測する科学・予測歯科によって人生を見通した口腔疾患予防を行います。 私達みんなが、よりよく“いきる、たべる、くらす”ことの実現が大阪大学予防歯科の目標です。