外来・診療スケジュール

口唇裂・口蓋裂外来

口の成り立ちと口唇口蓋裂

口唇(くちびる)や口蓋(上あご)が受精卵の時から形づくられるまでをみてみると、胎生8週頃には口唇が、胎生12週頃には軟口蓋ができあがります。でき方はそれぞれ突起といわれる風船の先の様なものが、上から横から伸びてきて顔や上あごの真ん中のあたりでそれぞれの先端が接触し 癒合(ゆごう)することによって口唇や口蓋を形づくります。口唇裂や口蓋裂はちょうどこの突起の先端が接触する部分に裂(れつ)(裂け目)がみられる状態です。したがって、口唇裂や口蓋裂は口唇や口蓋が形成される過程で何らかの理由で突起が癒合しなかったか、または癒合部に破裂が起こったものと考えられています。

その原因についてはいまだ統一された見解は得られていません。動物を用いた実験でいくつかの誘因が示唆されていますが、いずれも一般的なものばかりで、人での発生要因として確定されたものはありません。ほとんどが散発性に出生します。すなわち遺伝的な要因はうすく、両親のある特定の遺伝子の異常が原因であったわけではないと考えられます。

口唇口蓋裂は比較的発症頻度が高く、日本では約500~600人に1人の頻度で生まれるとされています。当科での定期的な調査の結果、大阪府下においてもほぼ同じ程度の発生率であることが分かっており、毎年平均すると約200人前後の患児が出生されることになります。
例年1年間で約90~100人前後の赤ちゃんが当科を受診されています。
口唇口蓋裂といってもその程度は様々で、それによって全体的な治療方針が変わります。
裂が口唇だけの場合は口唇裂といい、歯がならぶ歯茎(歯槽(しそう ) )の部分にも裂がある場合は 口唇顎裂、口唇から歯槽、 口蓋垂(通称:のどちんこ)まで裂がある場合は 唇顎口蓋裂といいます。各々に右、左、両側、と完全、不完全があります。また、口蓋にのみ裂がある場合は口蓋裂といいます。
(裂の場所と程度によって必要な治療法が変わりますので、お子様の状態によって読んで頂く部分が変わります。)

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