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はじめに
唇裂口蓋裂のお子様を出産された母親の衝動や悲しみは筆舌につくし難いものですが、さらにお子様をどのように育て上げればよいかという戸惑いと焦燥がその苦しみを助長するのではないでしょうか。唇裂口蓋裂のお子様には、くちびるのみの披裂の子もあれば、くちびるから口蓋垂まで連続して裂がみられる子もあり、その程度は様々で、それによってもたらされる問題も様々です。そのお子様が将来どのような問題に直面することになるかを知り、焦らず適時に対応してあげることがお子様の幸せにつながる道と信じます。
大阪大学歯学部附属病院 口腔外科1(制御系)は、本邦での医療施設の中では最も早くから口唇口蓋裂の治療へ全力で取り組み始めており、これまで約50年間の歴史を持ちます。現在では生後2~3ヶ月に行う口唇形成術、1歳前後に行う口蓋形成術などの手術治療に言語治療、矯正治療、補綴治療を加えた、歯学部附属病院ならではの一貫治療体系を確立し、その結果、当科を受診していただいたほとんどのお子様は、審美的(見た目)にも、口腔の機能面(言葉の発音、歯並びの不正)においても十分に回復し、立派に自信を持って社会へと旅立って行かれます。我々は今や口唇口蓋裂は治るものと信じています。
本書は唇裂口蓋裂のお子様が誕生されたご両親やご家族の方々に唇裂口蓋裂治療の現状と大阪大学歯学部附属病院 口腔外科1(制御系)の対応の仕方についてお知らせするものです。
大阪大学歯学部附属病院 口腔外科1(制御系)
教授 田中 晋
口唇口蓋裂の治療の流れ
臨床統計調査研究について
当院では唇顎口蓋裂の臨床統計研究を行っております。